【日本にはオスがいない??】ヤエヤマサソリ

東南アジアやオセアニア、ニュージーランド、サモア、トンガ、ツバル、キリバスを含むポリネシアに分布し、日本でも宮古列島、八重山諸島に分布している体長4㎝ほどの小型のサソリである。
 雌だけで繁殖する単為生殖するサソリで、日本国内では雄は見つかっていない。熱帯雨林の中で、石や倒木、樹皮などの下に潜んでいて、小さな昆虫を補食している。

 一部のマニアの間で飼育されている。
脱走防止のふたがしっかりとできる20㎝程度の小型の水槽やプラケースに、殺虫剤が使用されていない腐葉土やピートモスなどの床材を、深さ5㎝くらいにセットし、温度は25度程度を維持する。
適度な湿度が必要だが、床材を必要以上に湿らせたりして、飼育環境内が蒸れないように注意が必要である。
餌は、餌用コオロギのSサイズを与える。

 うまく飼育できれば、いつのまにか背中に子どもをしょっている姿が観察できる。
複数をいっしょに飼育しても問題はないが、頭数に合わせて、飼育スペースを広げる必要はある。

■英名:Wood scorpion
■学名:Liocheles australasiae
■生活環境:熱帯地方の地表
■分類:サソリ目ヘミスコルピウス科
■大きさ:体長4cm
■分布:東南アジア、オセアニア、ポリネシア、日本(宮古列島、八重山諸島)
■毒性:弱いが有る
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:多くはないが、ペットショップや
専門店で入手可能
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:コオロギゴキブリ
■活動する時間帯:夜行性

【日本でも飼育可能!なキョクトウサソリ】マダラサソリ

日本の宮古列島や八重山列島の先島諸島や小笠原諸島に分布するサソリである。
日本に生息するヤエヤマサソリよりも毒性が強く、素早く行動するが、人間を襲うことはまれ。

 比較的乾燥した地域に生息し、人家付近にも現れる。このときに、偶発的に刺されることもあり、ふつうは弱い毒で痛みはあるが、翌日には治癒している。
アレルギー体質の場合は注意が必要である。
 キョクトウサソリ科に分類され、現在、日本では特定外来生物被害防止法により、基本的に輸入、飼育、遺棄などが禁止されている。
しかし、日本に分布している本種は、唯一、飼育可能なサソリである。
 飼育はふたがしっかりとできるプラケースがお勧めである。
殺虫剤が使用されていないピートモスや砂などを配合し、深さ5㎝程度にセットし、温度は24〜28度、湿度は床材が乾かないように定期的に霧吹きで加湿する。飼育環境内は蒸れないように注意する。
餌は餌用コオロギのSサイズを与える。

■英名:Lesser brown scorpion
■学名:Isometrus maculatus
■生活環境:熱帯地方の地表
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■大きさ:体長5-7cm
■分布:東南アジア、ハワイ諸島、日本(先島諸島や小笠原諸島)など
■毒性:弱いが有る
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:多くはないが、ペットショップや
専門店で入手可能
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:コオロギゴキブリ
■活動する時間帯:夜行性

【単為生殖でどんどん増える!?】ブラジリアン・イエロー・スコーピオン

南アメリカのブラジルに分布する体長6㎝ほどの小型のサソリである。小型ではあるが、南アメリカに生息するサソリの中でも強い毒をもつといわれている。
ブラジルの南東部では市街地でもふつうに見られ、下水道や墓地、人家周辺など、比較的乾燥した場所にも生息している。

 また、単為生殖する種といわれ、ブラジル国内においても北部でも発見されており、人為的移入が関わっているといわれる。刺されると致命的な事態に陥る。
 寿命は野生では3年半から5年程度といわれ、成熟するまでに約2年。その後寿命を迎えるまでに、およそ6か月周期で単為生殖するといわれている。
 外国ではマニアによって飼育も行われているが、日本では特定外来生物法により輸入禁止。
一般的に飼育することも禁止だ。市街地でも単為生殖によって増殖するのであれば、それこそ輸入しない方が無難であろう。どの国でも軽い気持ちで飼育するのは危険である。

■英名:Blazilian yellow scorpion
■学名:Tityus serrulatus
■生活環境:比較的乾燥した地域
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■大きさ:体長6cm
■分布:南アメリカ(ブラジル)
■毒性:猛毒
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:日本では輸入、飼育、販売、移動禁止
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:ー
■活動する時間帯:夜行性

【アフリカ南部最強★の毒サソリ】ジャアイアント・デスストーカー

アフリカ南部のボツワナ、南アフリカ共和国、ジンバブエ、モザンビークに分布する、体長8・5〜15㎝にもなるキョクトウサソリ科で最大級のサソリである。
乾燥した砂漠や低木地、半乾燥地帯などの石や倒木などの下に潜んでいる。

 アフリカ南部では最強の毒をもつといわれ、毒の量も多い。子どもや老人、アレルギー体質の人にとっては危険なサソリである。
さらに、危険を感じると、毒針から霧状の毒液を1m近くも飛ばすことが知られている。
万が一、目に入ると、一生障害が残るといわれている。しかし、外国では人気の飼育種で、日本でも規制される前は、コンスタントに輸入されていた。
 種名のジャイアント・デスストーカーは俗称で、英語圏では一般的にはサウスアフリカン・ファットテイル・スコーピオンまたは、ブラック・スピティング・シックテイル・スコーピオンとよばれ、尾が太い、またはずんぐりしたことが特徴になっている。

■英名:South African Fattail Scorpion
■学名:Parabuthus transvaalicus
■生活環境:乾燥、半乾燥地帯の地表
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■大きさ:体長8.5~15cm
■分布:アフリカ南部(ボツワナ、南アフリカ、共和国、ジンバブエ、モザンビーク):
■毒性:猛毒:
■攻撃方法:刺す、挟む、毒液を飛ばす
■日本での入手可能性:日本では輸入、飼育、販売、移動禁止:
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物、小型脊椎動物
■飼育する場合の餌:ー
■活動する時間帯:夜行性

【冬眠する?生息地が様々なタフ蠍】イエロー・スコーピオン

ヨーロッパに広く分布しているサソリで、アルバニア、ギリシア、マケドニア、旧ユーゴスラビア共和国、ユーゴスラビア、トルコ(北部をのぞく)、キプロス、シリア、レバノンから報告されている。

 黄色から黄褐色の体色の本種は、体長約7〜7・5㎝で、生息地は様々である。
比較的乾燥した地域で発見されているが、中には湿度の高い森林でも捕獲されている。
偶発的だが、人家にも侵入することもある。ヨーロッパに広く分布することからも、順応性の高いサソリだと考えられる。様々な生息地では、石の下などに潜んでいる。
 ある研究者によれば、気温の下がる時期には、その姿をまったく見ることができなくなるため、9月ころから翌年の5月ころまで冬眠するとの報告もある。
 毒は医学に利用されている。それほど強い毒ではなく、健康な人体には重篤な影響はない。

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■英名:Yellow Scorpion
■学名:Mesobuthus gibbosus
■生活環境:様々な環境
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■大きさ:体長約7~7.5cm
■分布:ヨーロッパ
■毒性:あり
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:日本では輸入、飼育、販売、移動禁止
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物、小型脊椎動物
■飼育する場合の餌:ー
■活動する時間帯:夜行性

【最高クラスの毒…中2病感溢れる怖いやつ】デスストーカー

アルジェリアやソマリア、マリなどのアフリカ北部および、サウジアラビアやオマーン、トルコ、イスラエルなどの中近東に分布する、その名の通り恐ろしいサソリである。

その毒はサソリの中でも最高クラスの強さで、健康な人間を死に至らしめることはないが、子どもや老人、アレルギー体質の人では、重篤な事態に陥ることがある。
しかし、本種の毒は医学のために研究もされている。

乾燥した地域や半砂漠地帯で生息し、日中はくぼみや穴、石の下に潜んでいる。
全身が黄色っぽく、背部はより濃くなり茶色っぽくなる。第五尾節が黒い。体長は9〜11・5㎝。
日本では特定外来生物法により、輸入が禁止されていて、事実上一般の飼育は難しい状態だが、国外では猛毒にもかかわらず人気のある種だ。
マニアの間では飼われているが、本来は研究機関などの専門施設などで、専門家が厳重に飼育するべき種である。

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■英名:Deathstalker
■学名:Leiurus quinquestriatus
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■大きさ:体長9〜11.5cm
■分布:アフリカ北部、中近東
■生活環境:乾燥地帯の地表
■毒性:猛毒
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:日本では輸入、飼育、販売、移動禁止
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物、小型脊椎動物
■飼育する場合の餌:ー
■活動する時間帯:夜行性

【絶滅危惧種っぽい!】ヨーロピアン・イエローテイルド・スコーピオン

アルジェリアやチュニジアなどのアフリカ北部からヨーロッパ中部にかけて分布している。
北限はオーストリアで、フランス、イタリア、スペインでは一般的な種である。イギリスや南アメリカのウルグアイには人為的に移入されている。

 温暖で乾燥した地域に生息し、日中は岩の割れ目などに潜み、夜になると活動し、昆虫などを補食する。
人間の活動する地域でもふつうに見られ、公園や庭、古い住居の壁などに潜んでいる。また、標高500m未満の場所でも見られるが、冬に気温が下がると、場所を変える。
 イギリスでは、おもに古い建物の隙間に棲み着いているが、近年、これらの建物の隙間が次々に修理され、本種の生息場所が失われ、絶滅が心配されているという。
外来種ではあるが、生物相の薄いイギリスにとっては、貴重な生物のひとつといえるのだろう。

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人家の隙間に棲み着くこともある

■英名:European yellow-tailed scorpion
■学名:Euscorpius flavicaudis
■生活環境:温暖で乾燥した地域
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■大きさ:体長3.5〜4.5cm
■分布:アフリカ北部からヨーロッパ中部、イギリス および南アメリカ(ウルグアイ)に移入
■毒性:あり
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:日本では輸入、飼育、販売、移動禁止
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:ー
■活動する時間帯:夜行性

【20年以上生きるという噂】フロリダ・ストライプド・バーク・スコーピオン

アメリカ合衆国のフロリダ州とその湾岸地域、アリゾナ州西部からメキシコにかけて分布する。

おもに乾燥した地域の樹皮や石、ゴミなどの下に潜み、自ら掘った穴にも生息している。
穴はときには3mにもおよぶ深さになることがある。暗くなると活動し、小さな昆虫などを補食する。
 毒が強いことが知られているCentruroides属だが、本種の毒では健康体が生命の危機に陥ることはない。

そのため、アメリカでは初心者向きの飼育種として人気がある。飼育の際には、深く穴を掘ることから、床材を20㎝もの深さにセットするか、隠れ家となるシェルターをセットする必要がある。
また、一部の報告によれば寿命がひじょうに長く、20年にもなるといわれる。
体長は5〜7㎝。頭部や腹部、歩脚は黄色から黄褐色で、背甲には濃い2本の線があり、このことから、英名にあるストライプドが由来している。

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左がオス、少しほっそりしている

■英名:Flordia Stripped Bark Scorpion
■学名:Centruroides hentzi
■生活環境:乾燥した地域
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■大きさ:体長5~7cm
■分布:アメリカ合衆国(フロリダ州とその湾岸 地域、アリゾナ州西部)、メキシコ
■毒性:あり
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:日本では輸入、飼育、販売、移動禁止
■およその寿命:20年
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:ー
■活動する時間帯:夜行性

【雄だけがスレンダー…】スレンダー・ブラウン・スコーピオン

アメリカ合衆国のフロリダ州や中央アメリカ、南アメリカなどに広く分布している。また、アフリカのカメルーンやガボンなど多くの地域に人為的に持ち込まれたものが生息している。樹皮の下に隠れるため、フロリダ・バーク・スコーピオンの名でも知られている。

熱帯林の樹皮や石の下に潜んでいて、夜になると活動し、昆虫などを補食する。雌よりも雄の体の方がほっそりしており、種名のスレンダーは雄をイメージしたものである。

世界各地で移入したものが生息している。日本の南西諸島でも十分に帰化してしまいそうだが、現在は特定外来生物法によって輸入禁止だ。かつては日本でもペットとして飼われていた。

セイヨウミツバチほどの毒があり、健康な人体にはそれほど重篤な被害は見られないが、体質によっては要注意である。
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■英名:Slenderbrown scorpion
■学名:Centruroides gracilis
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■分布:アメリカ合衆国(フロリダ州)、中央アメリカ、南アメリカ
■大きさ:体長10~15cm
■毒性:あり
■生活環境:熱帯地域の樹皮の下
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:日本では輸入、飼育、販売、移動禁止
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物、小型脊椎動物
■飼育する場合の餌:ー
■活動する時間帯:夜行性

【見つけにくい色…かも】アリゾナ・バーク・スコーピオン(ネバダ・ロック・スコーピオン)

アメリカ合衆国のアリゾナ州、カリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州、ニューメキシコ州およびメキシコの、バハ・カリフォルニア州やソノラ州に広く分布している。
 温暖で比較的乾燥した地域に生息しており、日中は岩や倒木、樹皮などの下に潜んでいる。

1980年にCentruoides sculpuratusと同種になっていたが、2004年のDNA解析により、それぞれが別種として分類されるようになった。しかし、色彩など変異に富んでいて、今後も分類に変更が出る可能性がある。
体長6㎝ほどの小型のサソリだが、毒針に刺されると痛みを伴う。
健康な成人では、深刻な症状になることはないが、アレルギー体質や小さな子どもでは、かつて呼吸障害や意識障害などが発症した例もあるため、十分な注意が必要となる。
日本では輸入禁止である。
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■英名:Arizona Bark Scorpion
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■大きさ:体長6cm
■学名:Centruroides exilicauda
■生活環境:やや乾燥した地域:アメリカ合衆国(アリゾナ州、カリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州、 ニューメキシコ州)、メキシコ(バハ・カリフォルニア州、ソノラ州)
■毒性:あり
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:日本では輸入、飼育、販売、移動禁止
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ
■活動する時間帯:夜行性

参考:http://www.scorpionworlds.com/arizona-bark-scorpion/