【小型のローズヘアーと呼ばれた入門種】チリアン・カッパー(ドワーフ・ローズ)

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南アメリカのチリやアルゼンチンに分布する小型のタランチュラである。かつてはチリアン・コモンの名で流通しており、ローズヘアー・タランチュラと混在して輸入されていたこともあった。現在ではParaphysa manicataの学名、チリアン・カッパーの英名に変更されたが、さらにParaphysa scrofaの学名と、ドワーフ・ローズの英名に整理されている。
 小型で気性も荒くなく、乾燥に強いことや、刺激毛をほとんど飛ばさないなど扱いやすいことから、地味ではあるが密かな人気種である。
 飼育環境は、20㎝角の水槽などの小型の飼育容器で可能。床材は深さ8㎝くらいに敷き、温度は22〜26度程度を維持し、湿度は通常、飼育環境内に浅い水皿をセットする。脱皮時には湿度は欠かせないので、必要に応じて霧吹きで加湿するとよい。

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地味だが飼いやすい

■英名:Chilean Copper
■学名:Paraphysa scrofa
■分類:クモ目オオツチグモ科
■分布:南アメリカ (チリ、アルゼンチン)
■生活環境:半乾燥地域の地表、地中
■大きさ:体長3〜4cm(レッグスパン6〜7cm)
■毒性:あり
■攻撃方法:咬みつく、毛はあまり飛ばさない
■日本での入手可能性:多くはないが、ペットショップや専門店で入手可能
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ
■活動する時間帯:夜行性

【ブロンドのジャイアント】ブラジリアン・ジャイアント・ブロンド

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南アメリカのブラジルやパラグアイに分布する、体長8〜10㎝ほどのタランチュラである。
湿度の高いジャングルの地表で生活している。全身に赤みがかったやや長めの毛があり、毛深いのが特徴。

非常に活発で、日中は地中に掘った穴の中に潜んでいるが、暗くなると地表に出て、節足動物や昆虫などを補食する。
2001年までは、Vitalius vulpinusの学名で記載されていたが、Nhandu属に移動されている。
 飼育環境は、30㎝水槽クラスが必要だ。地中に穴を掘るため、床材はピートモスや赤玉土などを混ぜ合わせたものを深さ5〜8㎝程度にセットするとよい。
温度は25〜28度程度を維持し、湿度を維持するために、浅い皿に水を入れ、飼育容器内にセットする。
また、床材が少し湿る程度に定期的に霧吹きで加湿するといいだろう。

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全体が毛深い夜行性

■英名:Brazilian Giant Blonde
■学名:Nhandu vulpinus
■生活環境:熱帯地域の地表
■大きさ:体長8〜10cm
■毒性:あり
■攻撃方法:咬みつく、毛を飛ばす
■分類:クモ目オオツチグモ科
■分布:南アメリカ (ブラジル、パラグアイ)
■日本での入手可能性:多くはないが、ペットショップや専門店で入手可能
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ
■活動する時間帯:夜行性

【毛深いストライプのタランチュラ】ブラジリアン・ブラック・アンド・ホワイト・タランチュラ

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生息地であるブラジルでは、草原に生息している。
白黒のストライプが美しいタランチュラで、飼育種としても高い人気がある。
しかし、実際には白よりも、淡いピンク色に近い色をしている。また、中型でそれほど素早く行動せず、比較的落ち着きがある。
しかし、決しておとなしい性格というわけではなく、本来は凶暴性があり動かないからといってなめてかかると刺激毛を飛ばす攻撃に転じることから、扱いにはなかなか気が抜けない。

飼育下における餌は、子グモであれば、Sサイズのコオロギ
成体ではコオロギのほか、小型のトカゲや、ピンクマウスを食べる。
飼育には60㎝水槽や大型のプラケースが必要となる。
床材にはヤシガラやピートモス、赤玉土などの肥料や防虫剤の入っていない園芸用の土を、深さ3〜4㎝ほど敷くとよい。

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攻撃性があるため、扱いには注意が必要


■英名:Brazilian Black & White Tarantula
■学名:Nhandu coloratovillosus
■分類:クモ目オオツチグモ科
■分布:南アメリカ(ブラジル)
■生活環境:熱帯地域の地表
■大きさ:体長5〜7cm(レッグスパン16.5〜20cm)
■毒性:あり
■攻撃方法:咬みつく、毛を飛ばす
■日本での入手可能性:多くはないが、ペットショップや専門店で入手可能
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物、小型爬虫類など
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ、ピンクマウス
■活動する時間帯:夜行性


▼脱皮の様子など
http://tansintaran.blog.fc2.com/blog-category-2.html

【5指に入る巨大な鳥食いグモ】サーモンピンク・バードイーター

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大型のタランチュラで、雌のレッグスパンでは25㎝を超えるものもいる。
おそらくタランチュラの中でも3〜5番目に大きな種と考えられる。
ブラジル東部の熱帯雨林の地表に生息し、昆虫や小型のトカゲ、ネズミなどを補食する。
産卵数が多いことで知られるLasiodora属で、その数2000にも及ぶ。子グモは成長が早く、1年で15㎝近くにもなる。

飼育環境は、60㎝水槽の大きさが必要となる。温度は24〜27度程度に保ち、湿度は78〜82%の多湿にする必要がある。
飼育下ではコオロギやゴキブリ、ピンクマウスやファジーマウスを与えるとよい。また、水皿に入れた小魚も食べる。
それほど攻撃的ではないが、刺激毛には気をつけよう。
飼育容器の中でもふわふわ漂っていたり、ときには積極的に毛を飛ばしてくる。この刺激毛がかなりかゆみを伴うのだ。

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鳥だけでなく小魚も食べるらしい

■英名:Salmon Pink Birdeater
■学名:Lasiodora parahybana
■分類:クモ目オオツチグモ科
■分布 南アメリカ(ブラジル東部)
■生活環境 熱帯地域の地表
■大きさ 体長8〜10 cm(レッグスパン約25cm)
■攻撃方法 咬みつく、毛を飛ばす
■日本での入手可能性:比較的入手しやすい
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物、小型脊椎動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ、ピンクマウス、ファジーマウス、小魚
■活動する時間帯:夜行性


▼素晴らしい飼育日記
http://chu.momo.punyu.jp/?eid=145
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▼デ、デカい…

【とってもカラフルで魅力的なやつ】ブラジリアン・ホワイトストライプド・バードイーター

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(ブラジリアン・ホワイト・アンド・レッド)

ブラジル東部の熱帯雨林に生息している。
おもに地表で活動しているが、ある程度まで穴を掘ることができ、半地中棲といえる。
大きな昆虫および小さな脊椎動物を捕食する。生息地では、日中の最高気温が39度程度であっても、夜間になると12度ほどまで下がる。
その中で比較的耐寒性を備えている。気性は積極的で神経質である。
 このタランチュラは当初Vitalius cristatusの学名で記載されていたが、2001年にLasiodora cristataの学名に変更された。
さらにその後、ドイツのシュミット博士により、2004年に現在のNhandu chromatusに変更されている。
 飼育環境は、地表棲のため、高さよりも床面積が重要である。床材はピートモスなどを穴が掘れる程度に8〜10㎝程度の深さにするとよい。
耐寒性があるというものの24〜26度を保ちたい。湿度は高めで80%程度が必要。
毒は強い方ではないが、機嫌を損ねると攻撃的になるので、世話の際には要注意だ。

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耐寒性はある程度あるが、保温した方が飼いやすい

■英名:Brazilian White striped Birdeater
■学名:Nhandu chromatus
■分類:クモ目オオツチグモ科
■生活環境:熱帯地域の地表、半地中
■大きさ:体長5〜7cm(レッグスパン15〜18cm)
■分布:南アメリカ(ブラジル東部)
■毒性:あり
■攻撃方法:咬みつく、毛を飛ばす
■日本での入手可能性:比較的入手しやすい
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物、小型脊椎動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ、ピンクマウス
■活動する時間帯:夜行性

【興奮しやすいブラジルの赤いやつ】ブラジリアン・レッド・タランチュラ

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ブラジルおよびパラグアイ南部の熱帯雨林やサバンナに生息する地表棲・半地中棲のタランチュラである。
半地中棲というのは、自らは穴を掘らず倒木や石などの下のくぼみを利用して巣穴としているため。
体には長い赤毛が密生しており、雌のレッグスパンで15〜16・5㎝にもなる大型のタランチュラで、積極的で興奮しやすい気性だ。
また、神経質な面もある。攻撃的でもあり、ときには自分と同じくらいの大きさの獲物を相手にする。素早く毒を注入して捕食するのだ。

飼育環境は、60㎝水槽の大きさが必要となる。穴を掘ることはないので、流木や石、シェルターをセットするとよい。
温度は26〜29度程度に保ち、湿度は75〜80%程度を維持する。飼育下ではコオロギやゴキブリ、ピンクマウスを与えるとよい。
刺激毛は他の多くの種より激しく飛ばす傾向にあり、世話をする際には、その攻撃とともに、飼育環境内に漂う刺激毛にも気をつけたい。

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手を出すと攻撃されることもある

■学名:Nhandu carapoensis
■生活環境:熱帯地域の地表、半地中
■分類:クモ目オオツチグモ科
■大きさ:体長5〜7cm(レッグスパン♀15〜16.5cm)
■分布:南アメリカ(ブラジル、パラグアイ南部)
■毒性:あり
■攻撃方法:咬みつく、毛を飛ばす
■日本での入手可能性:比較的入手しやすい
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物、小型脊椎動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ、ピンクマウス
■活動する時間帯:夜行性

【アフリカ産の樹上棲大型グモ】トーゴ・スターバースト・オーナメンタル・バブーン

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西アフリカのガーナ、カメルーン、トーゴ共和国に分布するバブーンである。
湿度の高い森林の潅木および低木の生える地表、および樹上で生活している。
西アフリカのこの地域は、北部は乾燥しているため、おそらく南部の海岸地域の湿度の高い場所に生息していると考えられる。

動きが素早いことでも知られていて、獲物を発見すると、俊敏に行動し捕食する。
また、気性も荒いが、臆病で神経質でもあり、飼育して巣穴に落ち着くと、しばらくこもりっきりで姿を見せないことが多い。

巣穴は樹上の洞や地中の穴を利用する。そのため、飼育環境は床面積の広さと枝をセットするための高さのある飼育容器にすると、さまざまな習性が楽しめる。
少なくとも60㎝水槽程度があるといいだろう。飼育環境の温度は24〜27度程度を維持し、湿度は60%程度と高くも低くもない。
ふだんは浅い皿に水を張り、週に1〜2度、霧吹きで地表が湿る程度の水分を与えるとよい。餌はコオロギやゴキブリなどを与える。

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ガラス面にもぴったりはりつく

■学名:Heteroscodra maculata
■分類:クモ目オオツチグモ科
■分布:西アフリカ(ガーナ、カメルーン、トーゴ共和国)
■生活環境:熱帯地域の半樹上
■大きさ:体長4~6cm(レッグスパン10~13cm)
■毒性:あり
■攻撃方法:咬みつく
■日本での入手可能性:多くはないが、ペットショップや専門店で入手可能
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ
■活動する時間帯:夜行性


【タランチュラ飼育の入門種】ローズヘアー・タランチュラ

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(チリアン・ローズ、チリアン・コモン、チリアン・フレーム)
南アメリカのボリビアやチリ、アルゼンチン北部など広い地域に分布している。
半砂漠地帯や低木地などに生息している。

毛や頭部がバラ色に染まる美しいタランチュラで、ローズヘアーの名が有名だが、原産地から「チリアン・ローズ」または「チリアン・コモン」、「チリアン・フレーム」ともよばれる。
タランチュラとしては中型で性質がおとなしく動きは速くはなく、低価格ということもあり、入門種として人気が高い。
地表棲だが、垂直な面も軽々と登るため、飼育下では飼育容器のふたは確実に設置する必要がある。
飼育環境は21〜29度程度を維持すること。
乾燥には強いが、脱皮には湿度が重要なので、低い皿に水を用意しておくとよい。

長期間絶食することが知られていて、目に見えて痩せるようなら、温度や湿度を高めにしてやると、反応を示すかもしれない。

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比較的に低価格なのも人気の秘密

学名 Grammostola rosea 分類 クモ目オオツチグモ科
アルゼンチン、ボリビア、 チリ
生活環境 乾燥地域の地表
大きさ 体長約6cm(レッグスパン約10cm)
毒性 あり 攻撃方法 咬みつく
多くのペットショップで入手可能
およその寿命 不明
食性 昆虫、節足動物、小型脊椎動物
飼育する場合の餌 コオロギ、ゴキブリ、ピンクマウス 活動する時間帯 夜行性

【黄色のアクセントがよい金色グモ】チャコ・ゴールデンマスタード・タランチュラ

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(チャコ・ジャイアント・ゴールデン・ストライプ・ニー)
南アメリカのパラグアイやアルゼンチンに分布する大型で、穴を掘る地表棲のタランチュラである。
レッグスパンで20〜22㎝にもなる大型種だ。

しかし、タランチュラの中でもおとなしい性格をしていて、魅力的なペットとなっているが、興奮しやすい面もある。
防御のための刺激毛は備えているので、機嫌によっては、刺激毛で攻撃してくることもあるので注意すること。
 飼育環境は、湿度は低めでも問題はないが、浅い皿にいつも水を入れてセットしておくことが大切。
その水皿からの湿気と、ときどき、地表が濡れる程度に霧吹きするようにする。

幼体の場合は、溺れてしまわないように、水皿はなるべく小さなものにした方がよい。
餌は餌用コオロギやゴキブリ、ミルワームなどがペットショップなどで簡単に入手でき管理も簡単である。

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黒系と黄色系が注意をひく

■学名:Grammostola aureostriata
■分類:クモ目オオツチグモ科
■分布:南アメリカ
■毒性:あり (パラグアイ、アルゼンチン)
■生活環境:半乾燥地域の地表、地中
■大きさ:体長8~10 cm(レッグスパン約20cm)
■毒性:あり
■攻撃方法:咬みつく、毛を飛ばす
■日本での入手可能性:多くはないが、ペットショップや専門店で入手可能
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ、ミルワーム
■活動する時間帯:夜行性