【興奮しやすいブラジルの赤いやつ】ブラジリアン・レッド・タランチュラ

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ブラジルおよびパラグアイ南部の熱帯雨林やサバンナに生息する地表棲・半地中棲のタランチュラである。
半地中棲というのは、自らは穴を掘らず倒木や石などの下のくぼみを利用して巣穴としているため。
体には長い赤毛が密生しており、雌のレッグスパンで15〜16・5㎝にもなる大型のタランチュラで、積極的で興奮しやすい気性だ。
また、神経質な面もある。攻撃的でもあり、ときには自分と同じくらいの大きさの獲物を相手にする。素早く毒を注入して捕食するのだ。

飼育環境は、60㎝水槽の大きさが必要となる。穴を掘ることはないので、流木や石、シェルターをセットするとよい。
温度は26〜29度程度に保ち、湿度は75〜80%程度を維持する。飼育下ではコオロギやゴキブリ、ピンクマウスを与えるとよい。
刺激毛は他の多くの種より激しく飛ばす傾向にあり、世話をする際には、その攻撃とともに、飼育環境内に漂う刺激毛にも気をつけたい。

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手を出すと攻撃されることもある

■学名:Nhandu carapoensis
■生活環境:熱帯地域の地表、半地中
■分類:クモ目オオツチグモ科
■大きさ:体長5〜7cm(レッグスパン♀15〜16.5cm)
■分布:南アメリカ(ブラジル、パラグアイ南部)
■毒性:あり
■攻撃方法:咬みつく、毛を飛ばす
■日本での入手可能性:比較的入手しやすい
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物、小型脊椎動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ、ピンクマウス
■活動する時間帯:夜行性

【アフリカ産の樹上棲大型グモ】トーゴ・スターバースト・オーナメンタル・バブーン

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西アフリカのガーナ、カメルーン、トーゴ共和国に分布するバブーンである。
湿度の高い森林の潅木および低木の生える地表、および樹上で生活している。
西アフリカのこの地域は、北部は乾燥しているため、おそらく南部の海岸地域の湿度の高い場所に生息していると考えられる。

動きが素早いことでも知られていて、獲物を発見すると、俊敏に行動し捕食する。
また、気性も荒いが、臆病で神経質でもあり、飼育して巣穴に落ち着くと、しばらくこもりっきりで姿を見せないことが多い。

巣穴は樹上の洞や地中の穴を利用する。そのため、飼育環境は床面積の広さと枝をセットするための高さのある飼育容器にすると、さまざまな習性が楽しめる。
少なくとも60㎝水槽程度があるといいだろう。飼育環境の温度は24〜27度程度を維持し、湿度は60%程度と高くも低くもない。
ふだんは浅い皿に水を張り、週に1〜2度、霧吹きで地表が湿る程度の水分を与えるとよい。餌はコオロギやゴキブリなどを与える。

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ガラス面にもぴったりはりつく

■学名:Heteroscodra maculata
■分類:クモ目オオツチグモ科
■分布:西アフリカ(ガーナ、カメルーン、トーゴ共和国)
■生活環境:熱帯地域の半樹上
■大きさ:体長4~6cm(レッグスパン10~13cm)
■毒性:あり
■攻撃方法:咬みつく
■日本での入手可能性:多くはないが、ペットショップや専門店で入手可能
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ
■活動する時間帯:夜行性


【タランチュラ飼育の入門種】ローズヘアー・タランチュラ

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(チリアン・ローズ、チリアン・コモン、チリアン・フレーム)
南アメリカのボリビアやチリ、アルゼンチン北部など広い地域に分布している。
半砂漠地帯や低木地などに生息している。

毛や頭部がバラ色に染まる美しいタランチュラで、ローズヘアーの名が有名だが、原産地から「チリアン・ローズ」または「チリアン・コモン」、「チリアン・フレーム」ともよばれる。
タランチュラとしては中型で性質がおとなしく動きは速くはなく、低価格ということもあり、入門種として人気が高い。
地表棲だが、垂直な面も軽々と登るため、飼育下では飼育容器のふたは確実に設置する必要がある。
飼育環境は21〜29度程度を維持すること。
乾燥には強いが、脱皮には湿度が重要なので、低い皿に水を用意しておくとよい。

長期間絶食することが知られていて、目に見えて痩せるようなら、温度や湿度を高めにしてやると、反応を示すかもしれない。

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比較的に低価格なのも人気の秘密

学名 Grammostola rosea 分類 クモ目オオツチグモ科
アルゼンチン、ボリビア、 チリ
生活環境 乾燥地域の地表
大きさ 体長約6cm(レッグスパン約10cm)
毒性 あり 攻撃方法 咬みつく
多くのペットショップで入手可能
およその寿命 不明
食性 昆虫、節足動物、小型脊椎動物
飼育する場合の餌 コオロギ、ゴキブリ、ピンクマウス 活動する時間帯 夜行性

【黄色のアクセントがよい金色グモ】チャコ・ゴールデンマスタード・タランチュラ

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(チャコ・ジャイアント・ゴールデン・ストライプ・ニー)
南アメリカのパラグアイやアルゼンチンに分布する大型で、穴を掘る地表棲のタランチュラである。
レッグスパンで20〜22㎝にもなる大型種だ。

しかし、タランチュラの中でもおとなしい性格をしていて、魅力的なペットとなっているが、興奮しやすい面もある。
防御のための刺激毛は備えているので、機嫌によっては、刺激毛で攻撃してくることもあるので注意すること。
 飼育環境は、湿度は低めでも問題はないが、浅い皿にいつも水を入れてセットしておくことが大切。
その水皿からの湿気と、ときどき、地表が濡れる程度に霧吹きするようにする。

幼体の場合は、溺れてしまわないように、水皿はなるべく小さなものにした方がよい。
餌は餌用コオロギやゴキブリ、ミルワームなどがペットショップなどで簡単に入手でき管理も簡単である。

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黒系と黄色系が注意をひく

■学名:Grammostola aureostriata
■分類:クモ目オオツチグモ科
■分布:南アメリカ
■毒性:あり (パラグアイ、アルゼンチン)
■生活環境:半乾燥地域の地表、地中
■大きさ:体長8~10 cm(レッグスパン約20cm)
■毒性:あり
■攻撃方法:咬みつく、毛を飛ばす
■日本での入手可能性:多くはないが、ペットショップや専門店で入手可能
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ、ミルワーム
■活動する時間帯:夜行性

【特異な生態のスパイダー】アフリカン・レッド・トラップドア・スパイダー

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世界中に分布しているトラップドア・スパイダーだが、本種は南アフリカに棲息するStasimpis robertsiである。
トラップドア・スパイダーとしては、日本ではトタテグモ科の仲間のキシノウエトタテグモなどが同じトタテグモ目(Mygalomorphae)に属している。

 巣穴は地面に対してほぼ垂直に掘られ、その入り口は土や植物をクモの糸で補強し、カムフラージュされている。
そのふたの一方だけを固定してドアにしているのだ。
夜間になると、その扉にしがみつき、その近くを通った昆虫やほかのクモなどの節足動物類の震動を感知し、扉から素早く飛び出し、獲物を捕獲する。
 アフリカに生息するトラップドアー・スパイダーに関しては、その種類が多く、国内に輸入されてくる際の学名もあまり当てにならない。

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普段はトンネル内にいて、姿を現さない

■学名:Stasimpis robertsi
■分類:クモ目トタテグモ科
■分布:南アフリカ
■生活環境:亜熱帯地域の地中
■大きさ:体長3~4cm
■毒性:なし
■攻撃方法:咬みつく
■日本での入手可能性:専門店でも入手は少ない
■およその寿命:5~15年
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ、ミルワーム
■活動する時間帯:夜行性

【ブルー系の代表種として有名】コバルトブルー・タランチュラ

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タランチュラの中でも、強い神経毒をもっているが、人間が咬まれて死亡する事例は知られていない。
しかし、具体的な報告がないものの咬まれた部分は炎症を起こし激しい痛みに襲われるほか、体質によってはアレルギー反応を示す場合もあるので
扱いには注意が必要。

光沢を放つ金属的なブルーが鮮やかで、飼育種としても人気の高いタランチュラだ。
クモ類の特徴である雌が雄よりも体が大きくなることとともに、ブルーの発色も雌は美しく、雄は地味。
雄は性格が荒く攻撃的で、さらに動きが速いため、タランチュラの飼育に慣れた上級者向けである。
野生ではあまり立体的な活動はせず、昆虫や節足動物、カエルやネズミなどの小型脊椎動物を補食する。
長期間物を食べなくても耐えることができる。
日中は地上の穴で休み、夜になると雄は雌を探して活動する。

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雄のブルーはそれほど発色しない

■学名:Haplopelma lividum
■分類:クモ目オオツチグモ科
■分布:インドシナ半島 (ミャンマー、タイ)
■生活環境:熱帯地域の地中または半樹上
■大きさ:体長4~6cm(レッグスパン10~12cm)
■毒性:あり
■攻撃方法 咬みつく
■日本での入手可能性:人気種のため、ペットショップや専門店で入手可能
■およその寿命:20年以上
■食性:昆虫、節足動物、小型脊椎動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ
■活動する時間帯:夜行性

【派手ではないがブルー系】ブルー・フィーマー・ビューティー

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南アメリカのエクアドルやペルーに分布しているタランチュラである。体長約7㎝、
レッグスパンが約14㎝。比較的乾燥した地表に生息しており、日中は地中の穴で潜んでいる。暗くなると巣から出て地表で昆虫や節足動物などを補食する。
 飼育環境は、最低でも30㎝水槽やプラケースが必要で、穴掘りが得意なため、床材は10〜15㎝の深さが必要となる。温度は20〜26度程度を維持し、湿度はそれほど高い必要はないが、穴を掘れるように床材が固まる程度は維持したい。定期的に霧吹きして加湿するとよい。餌は餌用コオロギを与える。
 比較的おとなしい性質で、動きも速くはない。初心者にも最適である。種名にあるブルーの色は、雄に発し、雌では地味な赤茶色をしている。鮮やかではないが、ブルーの個体を望むのであれば、雄を探した方がいいだろう。

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地味な色の雌(メス)

■学名:Euathlus pulcherrimaklaasi
■分類:クモ目オオツチグモ科
■分布:南アメリカ (エクアドル、ペルー)
■生活環境:半乾燥地帯の地表、地中
■大きさ:体長約7cm(レッグスパン約14cm)
■毒性:あり
■攻撃方法:咬みつく、毛を飛ばす
■日本での入手可能性:多くはないが、ペットショップや専門店で入手可能
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ
■活動する時間帯:夜行性

【暗闇で浮かびあがるスケルトン模様】スケルトン・タランチュラ

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脚部が黒いベースに白いすじが入ることから、まるで骨格のように見えるためにスケルトンの名がある。
ブラジルなどの熱帯林の地中に自ら掘った穴や、他の動物の穴、樹上の洞などトンネル状の巣穴で生活している。
性格は凶暴な種として広く知られているが、よく観察すると決して凶暴ではない。
何かの物音に反応して威嚇ポーズをよくとる。個体によるが、凶暴というよりは、臆病なのかもしれない。

 また、素早く行動するため、飼育ケースを開けるときには、十分な注意が必要だ。
日本ではいつでも見られる種ではないが、古くから人気のある種のため、よく輸入されている。
 飼育環境は、穴を掘る習性のため、なるべく深めに床材を入れるようにするとよい。
また、飼育環境の温度は27度程度の高温が必要で、湿度も高すぎないような湿気が必要である。

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脚の白いすじが骨のように見える

■学名:Ephebopus murinus
■分類:クモ目オオツチグモ科
■生活環境:熱帯地域の地表
■大きさ:体長5〜7cm(レッグスパン11〜15cm)
■分布:南アメリカ(スリナム、ガイアナ、ブラジル北部など)
■毒性:あり
■攻撃方法:咬みつく
■日本での入手可能性:多くはないが、ペットショップや専門店で入手可能
■おおよその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物類
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ
■活動する時間帯:夜行性

ガイアナ・ピンクトゥー・タランチュラ(サウスアメリカン・ピンウトゥー)

ピンクのくつをはいた張り付き系

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脚先がピンク色から濃い黄色になる。コスタリカからブラジル、およびカリブ海南部沿岸に固有のタランチュラで、これらの地域から頻繁に採集されるため、ガイアナ・ピンクトゥーや、サウスアメリカン・ピンクトゥーの名がある。脚先の色は子グモのうちは、体、脚先とも暗い色をしているが、ふ化後4〜5年ほど成長するとはっきりとしたピンク色になってくる。
性格は神経質ではあるが、タランチュラの中でも温厚な方である。また、ジャンプ力があり、行動形態も立体的である。そのため、飼育する場合には、高さが十分にある飼育容器に、登り木などをセットするとよいだろう。床面積よりも高さが重要である。飼育環境の温度は24〜29度程度で、湿度も高めに調節し、通気をよくする。床材はピートモスなどを、深さ5〜8㎝程度に敷くとよい。餌はコオロギやガ、小型のトカゲ、ピンクマウスなどを食べる。飼育環境の中に、隠れ家を多く設ければ、複数飼育も可能である。

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垂直な面も登る立体活動派

学名 Avicularia avicularia 生活環境 熱帯地域の樹上
分類 クモ目オオツチグモ科 大きさ 体長4〜6cm(レッグスパン11〜12.5cm) 分布 中央・南アメリカ(コスタリカから 毒性 あり
攻撃方法 咬みつく、毛を飛ばす
入手可能性 日本での 多くはないが、ペットショップや専門店で入手可能 およその寿命 不明
食性 昆虫、節足動物、小型脊椎動物 飼育する場合の餌 コオロギ、ガ、ピンクマウス 活動する時間帯 夜行性