日本のほぼ全域(本州、四国、九州、南西諸島)に分布する全長4㎝ほどの小型のムカデ。林や森の中の倒木の樹皮の裏側などに潜んでおり、小型の昆虫などを補食している。
日本にはほかにもジムカデの仲間が生息しているが、本種は頭部が濃い褐色、胴体は明るい黄色をし、歩脚が41対あることで区別できる。
地表に出ることはほとんどなく、体がひじょうに細長く、単眼も退化し、地中や樹皮の裏などに潜り込んで活動するのに適した体といえる。
飼育するには、あまりにも地味で、なおかつ姿を観察することが難しい種である。
餌も餌用コオロギのSサイズでも大きすぎるため、トビムシなどの極小昆虫が餌として必要となり、手間もかかる。
1950年代には、本種が子どもの体内に寄生した事例が報告されており、ヨーロッパでも偶発的に多足類が人体内に寄生することが知られていた。
症状は微熱、腹痛、嘔吐、粘液血性便などで、投薬および浣腸にて、4匹のツチジムカデが排出され、その後症状は回復した。
■英名:Ground Soil Centipede
■学名:Prolamnonyx holstii
■分類:ジムカデ目ツチムカデ科
■生活環境:温帯地域の地表、半樹上
■大きさ:全長4cm
■毒性:蛋白分解酵素、ヒスタミン、セロトニン酵素など (本州、四国、九州、南西諸島)
■攻撃方法:咬む
■分布:日本
■日本での入手可能性:野外でも採集可能
■およその寿命:不明
■食性:節足動物、小型昆虫など
■飼育する場合の餌:トビムシなど
■活動する時間帯:夜行性