【牛力でなくてギューリックさん由来】ギュリキマイマイ(ギュリッキマイマイ)

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日本のほぼ全土に分布するヒラマイマイ(Euhadra eoa eoa)の亜種で、近畿地方と徳島県南部に分布する日本固有のカタツムリである。
種名の意味は、本種を採集した人物の名で、アメリカの貝類学者で進化生物学者でもあり、宣教師でもあったジョン・トーマス・ギューリックの息子のアディソン・ギューリック(1882〜1967)に由来するものである。そのため、ギュリキマイマイやギュリッキマイマイ、ギューリッキ・マイマイなど、書式にばらつきがある。

 おもに山地に生息し、右巻きの殻径は4〜5㎝になる。殻の模様は褐色の地に濃い茶色の帯が入る。
4つのウズがはっきり分る1234型とよばれるものが普通だが、1番目と3番目の帯はぼやけることもあり、0204型の平地型のイセノナミマイマイという別亜種とされることも。

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右巻きでふつう1234型の模様が入る

■学名 Euhadra eoa gulicki
■分類:綱柄眼目オナジマイマイ科
■分布:日本(近畿地方、四国の 徳島県南部)
■大きさ:殻径は4〜5cm
■生活環境:温帯地域の地表
■毒性:寄生虫の可能性あり
■攻撃方法:なし
■日本での入手可能性:ごく希
■およその寿命 不明
■食性:植物
■飼育する場合の餌:?
■活動する時間帯:夜行性


▼京都府のページ
http://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/bio/db/gshel0019.html

▼いろんなマイマイ
http://euhadra.web.fc2.com/sub1.html

【世界中のやっかい者!巨大カタツムリ】アフリカマイマイ

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東アフリカのタンザニアやモザンビークが本来の分布域で、日本の鹿児島県と南西諸島、小笠原諸島の母島に人為的に移入された世界最大級の陸生巻き貝である。エスカルゴの代用品とされたため、日本以外にも東南アジアやスリランカ、台湾、ハワイ、カリブ海沿岸地域など世界中の熱帯域に分布を広げている。IUCN(国際自然保護連合)では、世界の外来侵入種ワースト100にリストアップされている。
 沖縄県では雨が降り、湿度が上がると、道路やマンションの壁などに集団で現れた。しかし、現在は駆除政策が功を奏し、市街地ではかなり少なくなった。
 ナメクジ同様、広東住血線虫の宿主であり、農作物などにも被害が及ぶため、日本では植物防疫法によって有害動物に指定され、各生息地からの持ち出しは禁止され、また、国外から日本への持ち込みも禁止されている。その他国外でも同様に厳しく持ち込みや移動が禁止され、世界中のやっかいものとされている。

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生命力が強く駆除してもなかなか減らない!

■学名:Achatina fulica
■生活環境:熱帯地域の地表
■分類:綱柄眼目 アフリカマイマイ科
■大きさ:殻径7〜8cm、殻高約20cm
■分布:日本(鹿児島県、小笠原諸島、南西諸島)
■毒性:寄生虫の可能性あり
■日本での入手可能性:日本への持ち込み禁止
■およその寿命:不明
■食性:植物
■飼育する場合の餌:?
■活動する時間帯 夜行性


▼アフリカマイマイ1300匹超を全米で捕獲、食害などが深刻化
http://news.ameba.jp/20140901-333/

▼多良間で大型2匹を確認/アフリカマイマイ
http://www.miyakomainichi.com/2013/06/50707/

地球博物学大図鑑

【超危険!! ナメクジの常識を超えたナメクジ】ヤマナメクジ

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日本の本州,四国,九州に分布する、全長10〜15㎝にもなる大型のナメクジである。
丘陵地から山地の雑木林内の地表や樹上などに生息し、藻類などを食べている。
体は長さ以外にも幅や体高もあり、重量感溢れるナメクジである。触角は短い。
背面には体色よりも濃い不規則な模様があり、体側も濃い色になる。

それほど特別な地域にいるわけではないが、夜行性で、特に雨などで湿度が上がったときに活動するため、頻繁に目にすることはない。日中は木の洞などに潜んでいるので、機会があれば、木の洞を確認して雑木林を歩くのもいいだろう。
一部マニアの間では、ペットとして飼っていることもあるが、ナメクジは広東住血線虫などの寄生虫をもっていることもあり、死亡者も出すほどの寄生虫でもあるため、取り扱いには十分な注意が必要である。もし、触ったら、よく手を洗わなければならない。

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寄生虫がいることもあるので、触ったらよく手を洗うこと。


▼「両親の庭にナメクジが出て困ってる」衝撃的だと話題の写真(閲覧注意)
http://labaq.com/archives/51784176.html

【とにかくキモい!】クロイロコウガイビル

「ヒル」といっても実はプラナリアの仲間

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日本各地に分布し、国外でもインドネシアやインドでも知られている。
「ヒル」の名があるが、実際にはウズムシ目コウガイビル亜目コウガイビル科に属し、プラナリアと同じ仲間である。
コウガイとは「公害」ではなく、頭部が半月型になり、昔の女性が髪飾りとして使用した笄(こうがい)に似ていることからの名である。本種は全長が1.3〜12㎝ほどで、全身がビロードのような黒色をしている。

日本には本種以外に、全長が20㎝ほどから1mにも伸びるオオミスジコウガイビルが生息している。
湿った場所を好むため、雨上がりなどには、人家付近のブロック塀や石の上などにいるのが見られる。
肉食生物で、ナメクジやカタツムリ、ミミズを捕獲すると、消化液を出し、獲物を溶かしながら捕食する。
ヒルではないため、人間に対する害はほとんどない。

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頭部は半月型

■学名:Bipalium fuscatum
■生活環境:湿った場所
■分類:ウズムシ目コウガイビル科
■大きさ:全長1.3〜12cm
■分布:日本、インドネシア、 インドなど
■毒性:なし
■攻撃方法:なし
■日本での入手可能性:野外で採集可能
■およその寿命:不明
■食性:ナメクジやカタツムリ、ミミズ
■飼育する場合の餌:ナメクジやカタツムリ、ミミズ
■活動する時間帯:夜行性


▼動画

▼コウガイビルの奇妙な生態。ナメクジのような困り者。
http://matome.naver.jp/odai/2134663845540067501


【恐怖さえ感じる大ジャンプ】マダラカマドウマ

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日本全国に分布する大型のカマドウマである。

夜行性で薄暗い場所を好み、林内や周辺の草むら、洞窟、住宅街などでも見られる。体長2〜2・5㎝だが、後脚が体長の4〜5倍あり、触角が異常に長い。黄白色の地に黒色のまだら模様がある。
日本でよく見られるものに、同科のカマドウマがいるが、体長は2㎝と本種よりもやや小さく、まだら模様はない。
じめじめした場所を好むため、風呂場や昔のくみ取り式のトイレ、現在も公衆便所などにもよく現れるため、「便所コオロギ」というありがたくない名前でよばれ、不快害虫というレッテルを貼られてしまっているが、人間に対する実害はない。

雑食性で、暗くなると活動を始め、昆虫やその死骸を食べ、樹液にも集まる。
幼体、成体ともに翅はなく、危険を感じると長い後脚で大ジャンプをする。
種名のカマドウマの由来は、昔の竈のある炊事場にも現れ、馬のようにピョンピョン跳ね回ることからカマドウマ(竈馬)となった。

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■学名:Diestrammena japonica
■分類:バッタ目カマドウマ科
■分布:日本全国
■生活環境:温帯〜亜熱帯地域の地表
■大きさ:体長2〜2.5cm
■毒性:なし
■攻撃方法:なし
■日本での入手可能性:野外で採集可能
■およその寿命:不明
■食性:雑食性
■飼育する場合の餌:コオロギ、野菜、ドッグフードなど
■活動する時間帯:夜行性


▼古墳にもカマドウマ!?
http://kofunmoodys.fc2web.com/takasaki_3_yamana.html

▼沖縄のカマドウマ
http://blog.livedoor.jp/antroom/archives/51338729.html


▼なかなかに効きそうな殺虫剤


▼カマドウマの心を操る寄生虫ハリガネムシの謎に迫る
http://nationalgeographic.jp/nng/article/20141030/422341/

▼進撃の便所コオロギ!アジア原産カマドウマがアメリカで激増中
http://irorio.jp/utopia/20140905/159877/

▼学者の調査論文
オリジナル
https://peerj.com/articles/523/

翻訳
http://translate.weblio.jp/web/english?lp=EJ&url=https%3A%2F%2Fpeerj.com%2Farticles%2F523%2F&sentenceStyle=written

【固い装甲をもった最重量ゴキブリ】ヨロイモグラゴキブリ

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オーストラリアのクイーンズランドの熱帯地域に分布する地中棲のゴキブリである。世界最重量級のゴキブリとして、日本でも知られており、その体重は35gにも達し、体長も8㎝を超える。翅はもっておらず、ユーカリなどの落ち葉を食べ、深さ1mにも達する地中に巣を作り社会生活をしている。
ペットとしても日本をはじめ世界中で人気が高い。飼育環境は、飼育頭数にもよるが、30㎝以上の水槽やプラケースに、ピートモスや砂などの床材を1対1の配合で、深さ10〜30㎝ほどにセットし、温度は季節に応じて18〜30度、湿度60〜80%程度に設定する。
通常は初夏にペアリングするため、その際には温度・湿度とも高めに設定する。交尾した雌は、隔離して、一定の湿度のある場所に避難させておいた方がよい。卵胎生で白い卵(卵鞘)を産む。ひとつの卵からは20匹の子どもが生まれ、およそ12か月ほど、母親の近くで生活する。生後2〜3年で性成熟し、およそ10年の長い寿命がある。

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雄の頭部はよく発達する

■学名:Macropanesthia rhinoceros
■分類:オオゴキブリ科
■分布:オーストラリア (クイーンズランド)
■生活環境:熱帯地域の地表
■大きさ:体長8cm以上
■毒性:なし
■攻撃方法:なし
■日本での入手可能性:比較的入手しやすい
■およその寿命:およそ10年
■食性:植物(落ち葉など)
■飼育する場合の餌:野菜、ドッグフード、カメ用フードなど
■活動する時間帯:夜行性



▼NAVERまとめ
http://matome.naver.jp/odai/2140921170909970701


▼多摩では実物展示があるよう
http://www.another-tokyo.com/archives/50491962.html


▼通信販売など
SCIENCE FACTORY ltd.
http://sf-japan.ocnk.net/product/259

 

 

マダガスカルオオゴキブリ(マダガスカル・ヒッシング・コックローチ)

求愛や威嚇で声を出すゴキブリ

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種名の通り、マダガスカルに分布している大型のゴキブリである。別名にヒッシング・コックローチの名があるが、これは求愛や威嚇の際にシューシューと音を出すためである。
昆虫の鳴き声といえば、通常、翅をこすり合わせて音を出すが、本種の場合は、気門で空気を激しく出し入れして音を立てる。雄には胸部背面にこぶのような突起があり、雌にはない。
日本でもペットとして有名なゴキブリで、飛行するための翅がなく、日本のゴキブリのように脂ぎった姿でないことを好感して飼育していると思われる。国外でも人気のあるゴキブリで、映画やテレビドラマの気持ち悪いシーンによく登場する。

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映画にもよく登場する

飼育する際には、頭数によって水槽やプラケースの大きさを選び、床材はピートモスなどを使用する。飼育環境内に浅い皿に水をセットし、飲み水兼加湿用にする。
餌はニンジンなどの野菜類と、タンパク質補給のために、ドッグフードやカメ用フードなどを与えるとよい。

■学名:Gromphadorrhina portentosa
■分類:オオゴキブリ科
■分布:マダガスカル
■生活環境:熱帯地域の地表
■大きさ:体長6〜8cm
■毒性:なし
■攻撃方法:なし
■日本での入手可能性:比較的入手しやすい
■およその寿命:およそ5年
■食性:植物(落ち葉など)
■飼育する場合の餌:野菜、ドッグフード、カメ用フードなど
■活動する時間帯:夜行性

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シックススポット・グラウンド・ビートル

人気のオサムシの中でも稀な種

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南インドに分布する、後ろ翅に大きな6つの白い斑紋があるオサムシである。タイガー・ビートルとよぶ地域もあるが、これは実際にはハンミョウのことを指し、オサムシの場合は英名にあるようにグラウンド・ビートルが用いられる。両方が混在しているが、本書ではオサムシの英名通り、グラウンド・ビートルの名を採用した。和名ではムツボシオサモドキゴミムシの名がある。
地表棲で、おもに夜になると、獲物である昆虫やカタツムリを探して活動する。成体では、敵に襲われると、臀部から刺激のある液体を噴出させて危険を回避する。
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飼育種としても知られているが、ひじょうに希で、日本で飼育しているマニアもごくわずかである。飼育環境は、プレデター・ビートルと同様だが、床材にはピートモスや腐葉土など、湿度を保つものを使用する。温度は25度以上を維持したい。餌には餌用コオロギやミルワームを与える。

■学名:Anthia sexguttata
■分類:甲虫目オサムシ科
■分布:南インド
■生活環境:熱帯地域の地表
■大きさ:体長約4cm
■毒性:なし
■攻撃方法:臀部から刺激のある液体を噴出
■日本でのごく希:入手可能性
■およその寿命:不明
■食性:昆虫類
■飼育する場合の餌:コオロギ、ミルワーム
■活動する時間帯:夜行性

ガイアナ・ピンクトゥー・タランチュラ(サウスアメリカン・ピンウトゥー)

ピンクのくつをはいた張り付き系

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脚先がピンク色から濃い黄色になる。コスタリカからブラジル、およびカリブ海南部沿岸に固有のタランチュラで、これらの地域から頻繁に採集されるため、ガイアナ・ピンクトゥーや、サウスアメリカン・ピンクトゥーの名がある。脚先の色は子グモのうちは、体、脚先とも暗い色をしているが、ふ化後4〜5年ほど成長するとはっきりとしたピンク色になってくる。
性格は神経質ではあるが、タランチュラの中でも温厚な方である。また、ジャンプ力があり、行動形態も立体的である。そのため、飼育する場合には、高さが十分にある飼育容器に、登り木などをセットするとよいだろう。床面積よりも高さが重要である。飼育環境の温度は24〜29度程度で、湿度も高めに調節し、通気をよくする。床材はピートモスなどを、深さ5〜8㎝程度に敷くとよい。餌はコオロギやガ、小型のトカゲ、ピンクマウスなどを食べる。飼育環境の中に、隠れ家を多く設ければ、複数飼育も可能である。

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垂直な面も登る立体活動派

学名 Avicularia avicularia 生活環境 熱帯地域の樹上
分類 クモ目オオツチグモ科 大きさ 体長4〜6cm(レッグスパン11〜12.5cm) 分布 中央・南アメリカ(コスタリカから 毒性 あり
攻撃方法 咬みつく、毛を飛ばす
入手可能性 日本での 多くはないが、ペットショップや専門店で入手可能 およその寿命 不明
食性 昆虫、節足動物、小型脊椎動物 飼育する場合の餌 コオロギ、ガ、ピンクマウス 活動する時間帯 夜行性

ペイソン・ブロンド・タランチュラ

ネズミも襲うゴツいやつ

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アメリカ合衆国のアリゾナ州ペイソン地域に分布するタランチュラである。比較的乾燥した地域に生息し、日中はわずかに湿度のある地中の穴に潜み、暗くなると地表で節足動物や昆虫、小さなハツカネズミなどの小型脊椎動物を補食する。
アリゾナ州では、ごく限られた地域に隣接するように本種のペイソンやニュー・リバー、フラッグスタッフなどのタランチュラが生息し、それぞれがその地域にちなんだ種名でよばれ、その姿や生態もよく似ている。
本国アメリカでは、飼育種としても人気があり、多くのマニアによって飼育され、繁殖にも成功している。飼育環境は、成体では45㎝水槽以上の大きさが必要で、床材にはピートモスと赤玉土や砂などを配合したものを使用する。穴を掘るため10㎝以上の深さ、もしくは石などをセットし、その下にくぼみを作って、巣にするとよい。

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意外にもおとなしいペイソン・ブロンド

■学名:Aphonopelma sp
■分類:クモ目オオツチグモ科
■分布:北アメリカ(アリゾナ州)
■生活環境:温帯から亜熱帯地域の地中・地表
■大きさ:体長7〜9cm(レッグスパン約19cm)
■毒性:あり
■攻撃方法:咬みつく、毛を飛ばす
■日本での入手可能性:多くはないが、ペットショップや専門店で入手可能
■およその寿命:25年
■食性:昆虫、節足動物、小型脊椎動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ、ピンクマウス
■活動する時間帯:夜行性