【雄だけがスレンダー…】スレンダー・ブラウン・スコーピオン

アメリカ合衆国のフロリダ州や中央アメリカ、南アメリカなどに広く分布している。また、アフリカのカメルーンやガボンなど多くの地域に人為的に持ち込まれたものが生息している。樹皮の下に隠れるため、フロリダ・バーク・スコーピオンの名でも知られている。

熱帯林の樹皮や石の下に潜んでいて、夜になると活動し、昆虫などを補食する。雌よりも雄の体の方がほっそりしており、種名のスレンダーは雄をイメージしたものである。

世界各地で移入したものが生息している。日本の南西諸島でも十分に帰化してしまいそうだが、現在は特定外来生物法によって輸入禁止だ。かつては日本でもペットとして飼われていた。

セイヨウミツバチほどの毒があり、健康な人体にはそれほど重篤な被害は見られないが、体質によっては要注意である。
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■英名:Slenderbrown scorpion
■学名:Centruroides gracilis
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■分布:アメリカ合衆国(フロリダ州)、中央アメリカ、南アメリカ
■大きさ:体長10~15cm
■毒性:あり
■生活環境:熱帯地域の樹皮の下
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:日本では輸入、飼育、販売、移動禁止
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物、小型脊椎動物
■飼育する場合の餌:ー
■活動する時間帯:夜行性

【見つけにくい色…かも】アリゾナ・バーク・スコーピオン(ネバダ・ロック・スコーピオン)

アメリカ合衆国のアリゾナ州、カリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州、ニューメキシコ州およびメキシコの、バハ・カリフォルニア州やソノラ州に広く分布している。
 温暖で比較的乾燥した地域に生息しており、日中は岩や倒木、樹皮などの下に潜んでいる。

1980年にCentruoides sculpuratusと同種になっていたが、2004年のDNA解析により、それぞれが別種として分類されるようになった。しかし、色彩など変異に富んでいて、今後も分類に変更が出る可能性がある。
体長6㎝ほどの小型のサソリだが、毒針に刺されると痛みを伴う。
健康な成人では、深刻な症状になることはないが、アレルギー体質や小さな子どもでは、かつて呼吸障害や意識障害などが発症した例もあるため、十分な注意が必要となる。
日本では輸入禁止である。
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■英名:Arizona Bark Scorpion
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■大きさ:体長6cm
■学名:Centruroides exilicauda
■生活環境:やや乾燥した地域:アメリカ合衆国(アリゾナ州、カリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州、 ニューメキシコ州)、メキシコ(バハ・カリフォルニア州、ソノラ州)
■毒性:あり
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:日本では輸入、飼育、販売、移動禁止
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:コオロギ、ゴキブリ
■活動する時間帯:夜行性

参考:http://www.scorpionworlds.com/arizona-bark-scorpion/

【寒さ耐性あり?】コモン・ヨーロピアン・スコーピオン

ヨーロッパ南西部からアフリカ北部にかけて分布するキョクトウサソリ科の1種である。
フランスやスペイン、ポルトガルでは一般的な種である。また、アフリカ北部に生息するもの(英名ではサハラ・イエロー・スコーピオンとよばれる)は、ヨーロッパのものよりも毒性が強いといわれ、亜種レベルでの研究が進められているが、今後の分類がどのように変更になるかは、現在も調査中である。

 おもに木々の少ない乾燥した暖かい地域に生息し、日中は石の下などに潜んでいるがスペインの標高1000mを超える、降雪がある森林でも発見されポルトガルでは人家に入り込んだ事例もある。
 体長は6〜8㎝ほどで、黄色から黄褐色の体色である。毒を持っているが、過去に死亡例や人体に重篤な影響を与えたという報告はない。
 日本にも本種の学名で輸入されたことがあったが、地域差があるため、ほかの種との混在があったようである。

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■英名:Common European scorpion
■学名:Buthus occitanus
■生活環境:温帯の乾燥地帯の地表
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■大きさ:体長6~8cm
■分布:ヨーロッパ南西部からアフリカ北部
■毒性:あり
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:日本では輸入、飼育、販売、移動禁止
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:ー
■活動する時間帯:夜行性

【毒があるけどよく食べられる】キョクトウサソリ

中国に広く分布する、やや毒性の強い小型のサソリである。中国以外にもモンゴルからも知られている。
国外の資料の中には、日本も分布域に含まれて紹介されているものもあるが、これは、食用として日本に渡ってきたもののことと思われる。
実際に、日本の料理屋によっては、本種を唐揚げにした漢方食として出しているところもある。
食材として、養殖されたものが中国から冷凍にして送られてくるという。
味の方は、個人的には旨いものではないが、食後しばらくすると、火照りを覚えるような感覚があった。

 和名としては、キョクトウサソリを代表する種であるが、1881年にButhus属からMesobuthus属へ変更された。
 比較的人間の生活圏の近くでも生息しており、人家の庭の石の下や、建物の壁の亀裂などの隙間を利用して潜んでいることがある。

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■英名:Chinese Golden Scorpion
■学名:Mesobuthus martensii
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■分布:中国、モンゴル
■生活環境:温帯地域の地表
■大きさ:体長6~7cm
■毒性:あり
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:日本では輸入、飼育、販売、移動禁止
■およその寿命:4~6年
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:ー
■活動する時間帯:夜行性

【樹皮の下に潜む貪欲たん】レッド・バーク・スコーピオン

東・中央アフリカ(ケニア、タンザニア、ウガンダ、カメルーン、コンゴ民主共和国)に分布する体長約8㎝のサソリである。
おもに比較的乾燥したサバンナの地表で生活しており、日中は樹皮や石、倒木の下に潜んでいる。
夜になると節足動物や昆虫、トカゲの幼体などを捕食し、ときにはシロアリを補食するために、アリ塚や木に登るといわれている。かなり貪欲といわれる。

 名前の通りオレンジがかった赤い体色で、いかにも毒々しいが、実際にはそれほど強い毒はないようである。
比較的乾燥した地域に生息するものの、時折、霧の発生する地域でもあるため、適度な湿度が必要である。
 キョクトウサソリ科であるため、日本では輸入禁止で、飼育、販売、移動もできない。
さまざまな生き物の知識を広めるため、多くの人々の目に触れることがないのは、ひじょうに残念な法律である。国外ではふつうに飼育されている種である。

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■英名:Red Bark Scorpion
■学名:Babycurus jacksoni
■生活環境:サバンナの地表
■攻撃方法:刺す、挟む
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■大きさ:体長約8cm
■分布:東・中央アフリカ(ケニア、タンザニア、ウガンダ、カメルーン、コンゴ民主共和国)
■毒性:あり
■日本での入手可能性:日本では輸入、飼育、販売、移動禁止
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物、小型脊椎動物
■飼育する場合の餌:ー
■活動する時間帯:夜行性

【毒は弱いが見た目がキモい】アフリカ・ゴールデン・バーク・スコーピオン

アフリカ東部のタンザニアに分布するBabycurus属最大のサソリで、体長約9〜11㎝にもなる。
ふつう、乾燥したサバンナに生息しているが、タンザニアの湖や山地が多い地形のため、もっと広い範囲に生息していると考えられている。 
タンザニアの気候は、日中は平均30度近くなり、夜は平均22度程度である。本種は日中は樹皮や石、倒木、落ち葉などの下に潜み、夜になってから活動を開始する。

 キョクトウサソリ科のため、日本では輸入禁止である。毒性は人体に重篤な障害をもたらすことなく、医学的にもあまり活用されることのない毒である。
 国外でもそれほど多くが飼育されているわけではなく、具体的な飼育方法は確立していない。
日本以外での輸入の際には、レッド・バーク・スコーピオン(B. jacksoni)に混在していることもある。

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具体的な飼育法は確立していない

■英名:Giant Tanzanian Bark Scorpion
■分布:東アフリカ(タンザニア)
■学名:Babycurus gigas
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■大きさ:体長約9〜11cm
■生活環境:サバンナの地表
■毒性:あり
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:日本では輸入、飼育、販売、移動禁止
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物、小型脊椎動物
■飼育する場合の餌:ー
■活動する時間帯:夜行性

【刺されたら2時間で人命をも奪う猛毒サソリ】ファットテール・スコーピオン

アフリカ北部(アルジェリア、リビア、モーリタニア、スーダン、チュニジア、エジプト、チャド)および南・西アジア(インド、イエメン、サウジアラビア、パキスタン、イスラエル)に分布している体長10㎝程度のサソリで、尾部が太くなっているのが特徴。
ペットとして流通しているサソリの中では、最強の毒をもつといわれ、毎年、本種に刺されたことによる死亡例が報告されている。
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 危険なサソリにもかかわらず、国外ではマニアの間で飼育されている。刺されてから2時間以内に死に至る猛毒は、アメリカにおいてはまだ血清がなく、無用なハンドリングは避けるようにと呼びかけている。
 砂漠や砂丘などの乾燥した地域に生息しているが、人間の居住地域にも生息しており、石の下やサボテンの生け垣、レンガ作りの壁の隙間などでも発見されている。

■英名:Fattail:Scorpion
■学名:Androctonus:australis
■分類:サソリ目キョクトウサソリ科
■大きさ:体長約10cm
■分布:アフリカ北部、南・西アジア
■生活環境:乾燥地帯の地表
■毒性:猛毒
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:日本では輸入、飼育、販売、移動禁止
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物、小型脊椎動物
■飼育する場合の餌:-
■活動する時間帯:夜行性

【神経質で威嚇しまくる】ベーム・バローウィング・スコーピオン

東アフリカのタンザニアに分布する、体長約5㎝ほどの小型のサソリである。
イエロー・フォレスト・スコーピオンとも呼ばれる。やや湿度の高い場所に、自ら掘った穴を巣にしている。
 気性は神経質で攻撃的な面が見られる。万が一刺されても毒は弱いため、健康な成人であれば重篤な事態に陥ることはないが、それなりに痛みがあるため、扱いには十分注意が必要である。
 飼育環境は、20㎝水槽やプラケースを用意し、床材にはピートモスと砂を混ぜたものをセットするとよい。砂を混ぜることで、穴を掘りやすくなる。
温度は25〜30度に設定し、餌の食いつきなどを見ながら、温度を高め、低めに変化させるといいだろう。
湿度は60〜70%程度が必要で、浅い皿に水を入れ、床材に穴を掘れる程度の湿気も必要である。

食物は餌用コオロギが一般的だが、最近、少しずつ増えている餌用ゴキブリを使用してもよい。成長具合によって餌の大きさを変えてやるとよい。

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■英名:Burrowing Scorpion
■学名:Opistophthalmus boehmi
■分類:サソリ目ヘミスコルピウス科
■大きさ:体長5cm
■分布:東アフリカ(タンザニア)
■毒性:あり
■攻撃方法:刺す、挟む
■生活環境:湿度の高い地域
■日本での入手可能性:多くはないが、ペットショップや専門店で入手可能
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:コオロギゴキブリ
■活動する時間帯:夜行性

【黄色い帯が特徴の平太いやつ】オリーブキールド・フラット・ロック・スコーピオン

アフリカのコンゴ民主共和国、モザンビーク、ジンバブエ、タンザニアなどに分布する、背甲から腹甲にかけて黄色い帯があるサソリである。
乾燥した岩場に生息し、扁平な体をいかし、岩の下や割れ目などに潜り込み、夜になると外へ出て活動する。
 雄と雌の体の特徴がはっきりしており、雄は雌よりも体が太く、長い尾がある。あまり攻撃的な気性ではなく、弱いながらも毒をもっている。
人間が刺されても死に至ることはないが、それなりに痛みを伴う。
 
生息環境は、30〜50%の湿度で乾燥しており、気温は日中で30〜35度、夜間では10度まで落ち込む。
飼育下では、必要以上に温度を下げることはリスクが伴うので、20〜26度程度を保つといいだろう。餌食いが悪いときには温度を上げてやるとよい。成長を早くしてやる場合には、温度を高めに設定するといいだろう。食物は餌用コオロギやゴキブリを与える。

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■英名:Olive Keeled Flat Rock Scorpion
■学名:Hadogenes paucidens
■生活環境:乾燥地帯
■攻撃方法:刺す、挟む
■分類:サソリ目ヘミスコルピウス科
■大きさ:体長14cm
■分布:アフリカ(コンゴ民主共和国、 モザンビーク、ジンバブエなど)
■毒性:あり
■日本での入手可能性:多くはないが、ペットショップや専門店で入手可能
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物
■飼育する場合の餌:コオロギゴキブリ
■活動する時間帯:夜行性

【アメリカ住まいの気分屋】ジャイアント・デザート・ヘアリー・スコーピオン

北アメリカのアメリカ合衆国(アリゾナ州、カリフォルニア州南部、ネバダ州、ユタ州など)からメキシコに分布する。

砂漠や半砂漠の乾燥地帯に生息し、通常は地中の深い穴を巣にしているが、ときには石や倒木の下でも見られる。
気温が下がる時期には、地中のより深い穴に潜っている。
 北アメリカでは最大のサソリで、全長は14㎝に達する。背甲と腹部背板以外は明るい黄色をしており、体の各部に茶褐色の毛が生えている、これは、感覚毛の役割を果たしている。
 気性は活発で、気分を害されれば威嚇し攻撃してくる。毒針に指されると、かなりの痛みを生じるが、健康な人間にとっては重篤な事態にまではいかないといわれる。動きはそれほど速いわけではなく、ペットとしても一般的な種で、飼育していても丈夫な種である。
 しかし、湿気には弱く、場合によっては死に至る可能性もあるため、乾燥を心がけて飼育するとよい。必要な水分は餌である昆虫類から多くを補給する。

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毒針による攻撃には注意が必要

■英名:Giant Desert Hairy Scorpion
■学名:Hadrurus arizonensis
■生活環境:乾燥地域
■分類:サソリ目カラボクトヌス科
■大きさ:体長14cm
■分布:北アメリカ(アリゾナ州、カリフォルニア州南部、ネバダ州、ユタ州、メキシコ)
■毒性:あり
■攻撃方法:刺す、挟む
■日本での入手可能性:多くはないが、ペットショップや専門店で入手可能
■およその寿命:不明
■食性:昆虫、節足動物、小型脊椎動物
■飼育する場合の餌:コオロギゴキブリ
■活動する時間帯:夜行性